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朝駆け

日々、感じたことを自由に書きます。

いつまでも変わらない私の居場所【AKFG/ホームタウン】

ASIAN KUNG-FU GENERATION が2018年12月5日に3年6ヶ月ぶりとなるオリジナルアルバム「ホームタウン」をリリースした。

3年6ヶ月ぶり。長い。3年6ヶ月あれば小6が高1になってしまうが、私の体感としてはそんな空いている気がしなかったのも事実である。

前作は2015年5月27日。8枚目のフルアルバムとして「Wonder Future」をリリースした。その次は、ライブアルバムのリリースがあり、
そして2016年11月30日にソルファ再録のリリース。
その後には20周年ツアーがあったり、夏フェスにも出て、2017年末にはFeederとのツアーがあった。
そして2018年3月、BEST HIT AKG2と骨版芋版のリリース。
(骨版芋版:BEST HIT AKG1の発売に合わせて、ボーカルゴッチが自身の公式日記の中(既に移転済)で書いていた架空のベストアルバムで「骨っぽいもの」「芋っぽいもの」をそれぞれまとめたもの)

そして「TOUR 2018 BONES&YAMS」と題しての全国ツアー。(めちゃめちゃ良かった)

書き出してみて思うが、そりゃあそうだ。3年6ヶ月も空いたんだって思っちゃう。これは。

アルバムの制作期間が大体2年近くあって、本当はベストのリリース時期(2018年の3月)にリリースになる予定
自身で制作をするアーティストが発売を延期することは珍しいことではない。

でも私は勝手に2010年にリリースされた「マジックディスク」を聞いた時から、「いつアジカンは解散してもおかしくないのかもな」と思うようになった。サポートの増加や、ゴッチと潔のソロ活動、山ちゃんのアーティストプロデュース。不安になる要素は盛りだくさんだった。そして実際にそうだった。(詳しくはゴッチ著:凍った脳みそetc.を読んでほしい)

だが、前述した、骨芋ツアーに参加して、最高に自分が好きなアジカンになっていると感じた。

今のアジカンを出来るだけ目に焼き付けたくて、夏フェスにできるだけ参加した。
ある1つのフェスのMCで
アジカンに対する不安な気持ちが晴れていったんですね。これからもアジカンが続いていくって確証が得れて。
軸になるのが「荒野を歩け」だと知って、リード曲である「ホームタウン」を聞いて、これはめちゃめちゃいい(自分好みの)アルバムが出来ちゃうんじゃないかと思った。
発売前には立ち止まることでホームタウン収録曲を聞くことができる公式HPが出来た。
ゴッチは早く聞かせたいとツイッターかどこかに書いていたので、有言実行やなと思ったが、SOL(ラジオ)をやっているときもリリース前に流していたので、根本としては変わっていないのかもしれないが、サービスがすごいなあと思いつつ、フラゲ日を迎えた。

仕事終わり、雨がパラつく夜。私は中村さんのポスター付きが欲しくて遠目のツタヤまで向かった。
店員さんから原本を見せてもらった時、びっくりした。
「可愛い!!」
声が出てしまいそうだった。
ワクワクを抑え、帰路に着こうと思ったが、ワクワクが止まらなかったので、近所のコーヒーショップで音源をDLした。(プレイパス)

暖かい店内に入り、アートワークの美しさに驚愕した。「中村さんの作品集だなあ」なんて思いながら、一曲ずつ歌詞カードとにらめっこしながら、一言一言噛みしめるように聴いた。

1曲目はクロックワーク。
Weezer リヴァース・クオモブッチ・ウォーカーとゴッチの共作である。
時計の針のように、別々の場所に進んでいった人たちがいつかまた出会うことを祈るような、その場所がここホームタウンであることを感じさせ、アルバムに引き込まれていくようだった。

タイトル楽曲であるホームタウン。ゴッチが「激おこ低音おじさん」になって久しいが、PVが公開された時に音の違いにビックリしたことを覚えている。ドラムがカッコいい。キックの音が力強くて気持ちがいい。
初めてこの曲を生で聞いたのは11/27の招待制フロアライブだったのだが、ずっとドラムを見続けてしまった。PVでは組体操をしていたりするのでよければご覧ください。

間奏で別の村に行ったり、(詳しくはアジカンLOCKS bootlegをお聞きください)ゴッチソロを感じさせるCメロが印象的な「レインボーフラッグ」。
その「レインボーフラッグ」を経て、「サーカス」という新しい場所にたどり着く。
ゆるめの曲調だからこそ、音像がこれまで違うということをありありと見せつけてくれる応援歌である。

「夜は短し、歩けよ乙女」のテーマソングにもなった「荒野を歩け」は、シングルの時よりもアルバムの中に入ったほうが良さが増すと感じた。アルバムの中で聴く「荒野を歩け」の圧倒的にエース感、アルバムを製作する上で軸になった事を言葉なしで教えてくれるようだ。

6曲目の「UCLA」は、ホームタウンツアーの対バンとしてキャスティングされたHomecomingsのボーカル 畳野さんをゲストに招いた一曲。緩く、鬱々としながらも若い世代へのエールが詰まっている曲。タイトルは、ドラムの伊地知潔さんがレコーディング時に来ていたトップスのロゴから。(ゴッチ曰く、歌詞が具体的過ぎるため、タイトルが記号的であったほうが良かったとのことで仮タイトルが正式タイトルになった。)

コーラスワークが新しさを感じさせてくれる「モータープール」。所々感じるもの寂しさもホームタウン独特のものだと思う。個人的には洋ドラのタイアップが付いても全然浮かない曲だと思っている。タイアップ付かないかな…(誰か偉い人!)

こちらもリヴァースとゴッチの共作となった「ダンシングガール」、ギターの喜多さんお気に入りのリフが気持ちいい一曲「さようならソルジャー」、アルバムのラスト曲である「ボーイズ&ガールズ」へ。
ゴッチが「この一年はこの曲を作れただけでも素晴らしい一年だったと言える。もちろんアルバム制作もあったけれど。自分の中ではとても大きなことだった。」とツイートしてしまうほどの楽曲。
若者たちに向けて歌っているようで、全ての人たちはみんなどこかに、少年も少女も持っているのだ。成人してすでに働いている、もうガールズとは言えないような私も。「We've got nothing.」その言葉の後に続くアウトロがとても美しくてただ涙が流れてしまう。

2018年、「今のアジカン」を示した「ホームタウン」の初回限定版に付属する「Can't Sleep EP」は全5曲。

2017年に開催されたFeederとの対バンツアーにて披露されていた「スリープ」から始まる。この曲はFeederのグラントとゴッチの共作で約1年の期間を経て音源化された。アジカンファンには聞き覚えのあるフレーズが散りばめられており、これまでのアジカンを肯定しているようにも感じられる。

ストレイテナーホリエアツシ氏とコラボした「廃墟の記憶」は、ボーカルとして同氏が参加、PVにも同氏が出演というストレイテナーファンも必見の一曲。

「アジアンカンフー公式 +(月額サイト)」内にある「喜多山田日誌」にて、
ふんわり匂わされていたためファンをざわつかせていた「イエロー」。
こちらは、TAK 山田氏とのコラボ。つまり、ベースの山田氏がボーカルということでファンはソワソワさせた楽曲。

ゴッチに似てると話題のTHE CHARM PARK作曲した「はじまりの季節」。ワールドアパートからアジカンを聞いているとのことで、提供曲の中では一番アジカン色が強い。ゴッチ曰く、チャームくんは3曲提供してくれて、どれも良かったが時間がなくこの曲になったとのこと。こんな良い曲聞かされたら他の2曲も気になってしまうのが人間である。機会を待ちたい。

「生者のマーチ」
2018年3月に発売されたBEST HIT AKG2に収録の「生者のマーチ」はAlbum mixとして収録。「命」をテーマに、大切な人を失った
悲しみが綴られる。悲しみにくれるだけではなく進み続けようとする意思が美しいアウトロから感じられた。

「ホームタウンは名盤である」と、私は胸を張って言える。

アジカンは進み続ける。これからもずっと。変化しているところももちろんある。その変化が自分の理想じゃないこともあるだろう。でも、変化し続けながらより良いものを追い求める彼らを私は応援したい。
応援し続けていきたいと最新アルバムであるホームタウンを聞いて改めて思う。私はアジカンが大好きだ。そしてアジカンが私の落ち着ける場所であり、大好きな場所。ホームタウンであると確信している。
学生の頃の方がしんどいこと多かった気がするけど、社会人になって、仕事辞めたい気持ちを抑えながら働いて、辛いこともたくさんある毎日の中で、こんだけ何かにワクワクできることって幸せだ。
他人の言動で嬉しくなって、不安になったりして、ワクワクして。ずっとこんな気持ちを忘れたくないなと思った2018年12月だった。